【メンバー】toshi(CL、記) Hora(SL) Fuku(会員外)
いつか大山を滑りたいと思っていた。
昨年末の忘年山行で元谷から仰ぎ見た斜面はまるで手招きしているようで、そこで誓った3月の大山初滑りが実現した。
前夜はFukuさんのキャンピングカーで超快適な夜を過ごし、翌朝起きてみれば駐車場は登山者の車であふれかえっていた。
青天の予報ということもあるだろうが、すごい人気だとあらためて感心した。
スキーを担いで夏道登山道に入るとまだ7時前だというのに登山者は引きも切らず、ほとんど団子状態で登る。
雪面はよく締まっており、硬いので一応クランポンを着けて歩いた。
予定では六合目避難小屋上部からまず西沢を滑り、登山道を再び登り返して行者谷を滑降することにしていた。
しかし西沢は結構急斜面で、日も当たらずカリカリの予想。
今日は風も弱く快晴で輝く稜線が美しい。このままスキーをデポしてピークを踏んで行者谷だけ滑るのもありかと思案したが、
せっかくなので行者谷を滑り、状態がよければ登り返してもう一回滑るというプランに落ち着いた。
積雪量は昨年末の時と比べようもなく多い。六合目の避難小屋はほぼ埋まっていた。
前回は灌木に遮られてよく見えなかった山腹も、完全に衆目にさらされている。
行者谷も35°くらいあろうか、結構急である。雪崩最適斜度でもあるので、念のためピットを掘り弱層テストをした。
上部10cmくらいに弱層があるが上の層はまだスラブ化してない。さらに下20cmくらいに中の中(腕5回くらい)の弱層が見られたので
慎重を期してひとりずつドロップインすることにした。
上部の斜度は我々の技量では少々きつすぎた。自分は腰が引けてうまく滑れず、斜滑降気味に下る。
途中誤ってストックを落としたら、下の灌木帯まで際限なく転がって行った。
そもそも雪の状態はよく締まった上に最近の新雪が乗って上々のコンディションである。
少し斜度がゆるむと気持ちよくターンが決まり、思わず歓声が上がる。3人が想いおもいのシュプールを描いて下って行く。
いつものことだが下りはあっという間。元谷小屋の地点まで降りて余韻を味わいながら、さあ、この後どうする?
Fukuさんはもう十分という感じ。若いHoraさんは当然もう一回滑りたいはず。
とはいえスキーを担いで登山道をまた登り返すのもつまらない。とうことで、二人がシールを着けて谷を登り返すことにした。
ジグを切って六合目避難小屋まで一気に1時間のシール登高。太陽の直射と雪の照り返しで汗が噴き出る。
今度はやや斜度が緩い小屋の直下からドロップイン。1回目の滑降で慣れていることもあり、出だしから攻めの滑りができた。
日当たりのいい斜面なので雪も緩んできてコンディションはますますいい。
これは・・・はっきり言ってたまりません!
二人で交互に奇声を発しながら、ツボ足で下山する登山者の脇を滑り抜け、Fukuさんが待つ元谷の喉まで20分足らずで降りてきた。
振り返れば、威厳のある大山の山容の一画に、滑り下りた谷が白く輝いていた。
ますます雪が少なくなる本州の果てで、われながらよく続いていると思う、この山スキーというジャンル。
今回はおそらくこれ以上ないベストのタイミングで至福の滑りを楽しむことができた。
こういうのがあるから、やっぱり止められないんですね。
【コースタイム】
大山駐車場(6:55) → 六合目避難小屋上部(9:20~10:00) → 行者谷滑降 → 元谷避難小屋下部(10:15~10:35)
→ 登り返し → 六合目避難小屋(11:35) → 行者谷滑降 → 元谷避難小屋下部(11:50)
→ 駐車場(12:40)
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